秋田禁煙サロン 2022年

このたび秋田・たばこ問題を考える会では、タバコによる健康被害の実態をもっと多くの人々に知ってもらう必要を感じ、会員が交代でコラムを書くことにしました。 このホームページをきっかけに禁煙に成功し、タバコの害から逃れる人が一人でも増えることを切望します。


2022年12月号
【きんえん】どっちだ?

本荘第一病院 添野武彦

再び加熱式タバコの話である。ドック検診では、まず始めに本人確認の後『タバコやお酒は飲みますか?』と、受診者には問い質す。禁煙・無関心期の人は、タバコについては無視か、『ストレスを感じるから』と答える人が多い。すると私は『あなたも(きんえん中)ですね?』とやり返す。相手は非喫煙者の私にケムリに巻かれている!ここでネタばらし。『勤煙だね』と筆談。相手は呆れたように苦笑いをする事が多い。更に、最近は加熱式タバコに変えたとして安心している人も増えた。対して自分なりに少し柔らかく毒を吐く。『あれは、グリセオールのエアゾルが大量に出るから、将来、肺硬化症になって呼吸困難になるよ』と。ニコチン依存症は言うまでもないが、グリセオール蒸気の害は全然知られていない。危険事象を強調するばかりでは、『禁煙』につながらないから、私共の行動変容が求められるのは分かる。加熱式タバコ使用者は、新型コロナに感染した場合重症化しやすいとも言われている。『勤煙』を『禁煙』に変えるには、健康な肺を持ち息の長い努力が必要だ。


2022年11月号
秋田県受動喫煙防止条令制定と加熱式タバコ対策

秋田県医師会副会長 三浦進一

2020年4月、受動喫煙防止対策を強化した健康増進法改正が行われ、同時に秋田県医師会が主体的に関わって秋田県受動喫煙防止条令が施行されました。秋田県の条令では敷地内禁煙区域での喫煙所設置を認めない、空港・駅の建物内でも喫煙所設置を認めないなど、改正健康増進法以上の、全国で最も先進的な取り組みと評価されています。加えて、電子タバコの一種である加熱式タバコを紙巻きタバコと同様に扱うなど、まさに全国の自治体に先駆けてこれからの受動喫煙防止対策の方向性を示す内容となっています。
特に現在の新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)流行の最中にあって、喫煙室は3密の最たるものとして全国で喫煙室の閉鎖が行われ続けていることは、秋田県の条令がいかに優れているかを表しているといえましょう。何より、今回のCOVID-19のパンデミック発生にあたって、喫煙者が感染しやすく重症化しやすいとされています。しかも、喫煙者は喫煙のために頻繁にウイルスの付いているかもしれない手で顔を触ったり、マスクを外す機会も多く危険極まりないのです。
一部の喫煙者の中には、加熱式タバコに変えただけで禁煙したと錯覚している方がおり、人前で平気で喫煙する方もいます。この間違った認識、行動は、タバコ会社が加熱式タバコは有害性が少なく、受動喫煙も少なく安全だからと飲食店を中心にキャンペーンを行った影響が大きいようです。加熱式タバコの煙の中のニコチンは紙巻きタバコの84%もあり、その他の発がん物質などもかなり多く含まれており、しかも加熱式タバコ利用者の約70%が紙巻きタバコも併用しており、ニコチン依存症の解消には全くなっていないことがわかりました。受動喫煙の害も同様です。
喫煙率は働き盛りの30-50歳台の男性に多く、20歳台ではまだ低いのですが、社会人となり、会社の上司の影響や会社の雰囲気などで喫煙しなければ仕事が続けられない事情があるようです。そして若い世代ほど加熱式タバコに変えて自己満足している方が多いようです。女性の場合はさらに妊娠時の胎児への影響や、子どもへの受動喫煙、子どもが将来喫煙者となる確率が高いなどのリスクがあります。喫煙は自らの寿命を縮めるだけでなく、受動喫煙で周りの多くの方の寿命にも関わることを、このCOVID-19の蔓延期だからこそ、声を大にして訴えたいと思います。


2022年10月号
たばこと私

象潟調剤薬局 猪俣政武

生涯一度もたばこを吸ったことがありません。

こどもの頃は父親のおつかいでたばこを買いに行きお釣りを貰うのは楽しみにしていましたが、いざたばこを吸いだすと「あっちで吸って」と換気扇の下へ誘導する。
思春期になり自分の部屋をあてがわれたらほとんど父親と会話をすることもなくなりました。
高校生の頃、部活の部室はグラウンドの端に置かれた物置小屋のようなもので顧問の先生もほぼ来ることがないような状況、同級生たちが隠れてたばこを吸うというような環境で「お前も吸えば?」のような誘惑も多々。
しかし大学生になってたばこは吸わないことを公言すると「その方がいいよ、吸っている自分が言うことではないけど」と喫煙強要のようなことはなくなりました。
時が経ち、家を出てからは会うことがほとんどなくなっていた父親が2年前に亡くなりました。間質性肺炎の急性増悪から寝たきりになり施設でなくなりましたが、死亡診断書の死因には「肺がん」と。
たばことの因果関係はわかりませんが事実として残ったのは「愛煙家の父親の死因は肺がん」。

吸っているたばこを辞めさせる、という活動とともに、自分の経験からも「最初の1本を吸わせない」ことが大変重要と考えておりますのでそのような活動をしたいと思っております。


2022年9月号
灰皿撤去に踏み切る店舗にエールを送りたい

秋田大学医学部附属病院 麻酔科 鵜沼篤

いつの間にか近所のコンビニから灰皿が無くなった。どんなきっかけがあったのだろう。お客さんもしくは同僚からの苦情か、本部の方針か、それともオーナーの健康意識の高まりか。いずれにせよ気まぐれではないだろう。オーナーの強い決意の表れだと勝手に好感を持っている。売上に変化はあったのか。喫煙者の同僚はどう変わったのか。ぜひ発信して欲しい。完全禁煙に切り替えた飲食店は、確かに客層は変わったが、売上は変わらなかったという話を聞いたことがある。むしろ家族層が増えて賑やかになったとのことだ。親の立場になり、コロナが落ち着いた頃には外食へ行く機会も増えるだろう。子供の頃に抱いていた外食のイメージはまだ色褪せていない。サステナビリティがテーマのこのごろ。灰皿(喫煙の環境)をやめるたった一つの決断が思いのほか大きな変化につながるのかもしれない。


2022年8月号
タバコの歴史(2)「アメリカ・タバコ王国の誕生」

介護老人保健施設ニコニコ苑 塩谷隆信

19世紀の半ばから流行しだした「シガレット(=紙巻たばこ)」は、時流に乗って売り上げを伸ばすものの、手巻き作業の限界などから1910年代までは大きなシェアを占めるまでには至りませんでした。
これが「パイプたばこ」を抜き去って市場のトップに踊り出たのは、1923年のことでした。ここには、1人の「シガレット」製造業者と1つの機械の貢献があったのです。後に、アメリカを「タバコ王国」へと導いた人物=ジェームズ・ブキャナン・デューク(写真1)が、故郷のノースカロライナで「シガレット」を製造しはじめたのは1881年のことでした。
この年、ある画期的な機械が特許を取得します。それは、「タバコ」を自動的に紙で巻く「ボンサック」の巻き上げ機でした(写真2)。「ボンサック」は、今日の巻き上げ機の基本となるほどに優れた製造機械でしたが、当時のメーカーは、「消費者は手巻きを求めている、機械は信頼できない」などの理由から、自社への導入をためらっていました。そのような状況下でデュークは、「ボンサック」の将来性を見通して自社工場に導入します。
やがて、「仕事は手巻き職人48人分,経費は職人の3分の2」という謳い文句通り、「ボンサック」による「シガレット」生産は成功を収め、市場では、機械による大量生産が主流を占めるようになりました。その後、デュークは、自社との闘いに敗れたメーカーを次々に吸収・合併し、1890年には新会社「アメリカン・タバコ社」を設立しました。

  • 写真1
    ジェームズ・ブキャナン・デューク(1856-1925)
  • 写真2
    自動巻き上げ機「ポンサック」

2022年7月号
健康経営に欠かせない!「禁煙対策」「受動喫煙対策」

NTT東日本 健康管理センタ 千葉 江身子

健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」という考えのもと、健康管理を経営的視点から捉え、 戦略的に実践することを指します。2019年度健康経営の認定では、その基準の一つとして「受動喫煙対策」が義務付けられ、「喫煙(禁煙)対策」に対する関心が高まりました。
さらに2020年4月1日より施行された健康増進法の改正によって、従業員の望まない受動喫煙を防止することが企業責任のひとつに加わりました。
弊社も2020年4月1日より建物内禁煙を実施し喫煙所を建物外へ移動しました。禁煙タイムも設定し、喫煙率も下がりこのまま敷地内禁煙を期待していましたが、なかなか前進できずにおります。社有車も禁煙になっておりますが、非喫煙者が喫煙者と同乗した時や喫煙後に自席に戻ってきた時の「たばこの臭いが苦痛です」との声も一部で聞かれます。非喫煙者が我慢しなければいけない状況を少しでも早く改善するために、トップや管理者を味方につけて、計画的に「禁煙対策」「受動喫煙対策」を進めていきたいと奮闘中です!


2022年6月号
自転車通勤中に思うこと

しらゆき調剤薬局 石原 英一

私は自転車通勤をしている。だいたい朝7時頃に家を出発するのだが、通勤中コンビニの喫煙所でタバコを吸っている人を結構な割合で見かける。知り合いの喫煙者は、家での喫煙が出来なくなり、タバコを吸いたくなったときに、よくコンビニの喫煙所を利用するそうだ。朝の時間帯にスウェット姿でタバコを吸っている人を見ると、「私の知り合いと同じ境遇なのかもしれない」と勝手に想像している。
最近少なくとも通勤中に、歩きタバコをしている人を見ることが無くなった。このことについてもコンビニの喫煙所が役立っているのかもしれない。しかし周りに煙をまき散らし、コンビニ利用者等への受動喫煙の問題は大きい。喫煙所とはいってもコンビニの屋外に灰皿を置いているだけ。店舗の入り口や駐車スペースの近くに置いているところもある。
設置された灰皿の掃除は、どなたがやっているのだろう。灰皿の掃除は、灰皿に染み込んだタバコの臭いを吸い込むことになるので、息を止めてやったほうがよいだろう。タバコの臭いを吸い込むことは三次喫煙である。三次喫煙とは直接タバコの煙がないところでも、家具などの物に染み付いたタバコの残留成分を吸い込むことである。望まない受動喫煙を防ぐためには、タバコの煙はもちろん、この三次喫煙の問題にも設置者は配慮する必要があるだろう。


2022年5月号
YouTuberはじめました。

北秋田市民病院 佐藤誠

YouTuberはじめました。
と言っても、個人のアカウントでチャンネル登録者何千人だとか、CMをたくさんつけて収益アップを目指すとかの本物のYouTuberではなく、日本循環器学会で企画した(スワンスワンで)22日の禁煙の日にちなんだ定例配信の昨年11月号に参加しただけですが…。「すわん君チャンネル」は結構人気のあるチャンネルで、1時間以上の長めのコンテンツにも関わらず、今や1000回再生を超えているという盛況ぶりです。
当日は「YouTubeライブ配信」という形で生中継し、そのあとでいわゆるYouTube動画としていつでも誰でも見られる形になりました。配信予定を知る者限定とはいえ、不特定多数相手に生放送で講演をする訳ですから、誤った情報・言い間違い・不適切な表現(あったかも知れませんが)などが許されない緊張感のあるイベント。でも生放送・双方向だからこそ、クイズを出すと即座に回答がグラフ化、チャット書き込みからのやりとりなど大いに盛り上がりました。
まだご覧になっていない方は必見です。

泣ぐ子はいねぇが?〜心血管病で悲しむ人を減らすために〜秋田弁とクイズで学ぶ心血管病の対処法 - YouTube

この「すわん君」がしかけるイベントにはいつも感心しています。コロナ禍前であれば子供向けのゆるキャライベントに行って禁煙に全く興味をもってない来場者にも広く情報提供してみたり、イベントで知り合った別のキャラクターとコラボして他の地域・コミュニティーにも仲間を増やしてみたり。コロナ禍となればSNSで双方向で、ネットワークがどんどん広がっていくのです。禁煙外来や循環器内科外来を受診した患者さん・ご家族など既に禁煙にある程度関心・興味を持っている目の前の方に禁煙に関する情報提供をすることも大切ですが、客層を選ばない「社会全体に対する禁煙推進」を繰り返し継続的に行うことも同じくらい大切です。動画の中では、にぎやかでテンポよく、うさん臭いトークを繰り広げてはいますが、すわん君と一緒に循環器学会の一員として、空間・時間を超えて、形にとらわれない禁煙推進活動に関われていることを、とても誇らしく感じています。

毎月22日は「禁煙の日」です | 美の国あきたネット (akita.lg.jp)


2022年4月号
禁煙のきっかけ

松田歯科医院 松田哲朗

先日、書類や雑誌の整理をしていた時に吉田類さんの対談か何かの記事を見つけました。
その中にご本人の禁煙の話があったので、ご紹介します。
皆さんは酒場放浪記という番組はご存知でしょうか?居酒屋を巡り、酒と肴を紹介する番組です。吉田類さんはその番組の案内役であります。吉田さんはかつてヘビースモーカー でショートホープを5箱吸うほどだったとか。しかし、そんな吉田さんは今では煙草は1本も口にしてないそうで、そのきっかけになった話が記事には綴っておりました。
吉田さんはある日、朝まで飲んで、その足で高尾山に登ったそうです。その時、年を取っても山登りを続けたいと思った途端、持っていた煙草とライターをその場で捨てたそうで す。それ以来煙草を吸いたいとも思わなくなったそうです。なぜそこで禁煙出来たかと聞くと吉田さん曰く煙草を吸うより、山登りの方が楽しいと思ったからだそうです。だから 酒より楽しいものが出てくれば酒もきっぱりとやめられるとの事です。そう言えば最近NHKの日本百低山で頑張っていますね。お酒もやめるのかな?(笑)


2022年3月号
たばこ雑感(大義ある戦いの勝利をめざして)

金子治生

ネットを見ていたら、20代後半の若者が「たばこ初心者が陥りやすいミスやダサい仕草など、初心者向けの知識を教えて」と質問しているコーナーを見つけた。あろうことか、これからタバコを始めようとしているようである。
ちょっと興味を覚えたので中を覗いてみると、一般の方からの回答がいくつか寄せられていた。

まずは、「禁止区域での歩きタバコ」、「喫煙所以外での喫煙」、それに「ポイ捨て」はダサいという回答。吸うならルールを守れということか。そりゃ、当たり前だろう。
「先輩より先に火をつけるのはダメ」、「灰皿掃除は新人の仕事」というのがあった。吸うなら先輩を立て仁義を切って、とでもいうのだろう。う~ん、お話にはならないな。
さらには、「たばこ吸うこと自体がダサい」、「20代後半まで吸わないですんだのだから喫煙しないのが一番かっこいい」という答えも。これを書いた人は、自分はヘビースモーカだが、と断っている。禁煙は今からでも遅くないよと言ってやりたい。
「周りが吸っているからって始めるの、流されているだけ。かっこう悪い、「そう無理してすわんでもいいんじゃない」との回答も。これをどう見るかはちょっと微妙なところだ。

こうしたやりとりを見ると、自分が学生のころ(約40年前)と喫煙のイメージは大きく変わった。関係者の尽力により、タバコを吸うのがかっこよかった時代はついに終焉を迎えつつあるように思う。
しかし、タバコ勢力と反タバコ勢力とのせめぎ会い(情報戦や神経戦?)は続いている。私たちはタバコを吸えば「自分の身体に大きな害がある」、「自分だけでなく周囲の人々にも害を及ぼす」ということをしっかりと認識し、「大義ある戦い」に全面勝利しなければならない。
私がタバコをやめて今年で13年になる。まだまだ油断は禁物である。


2022年2月号
依存症って、こわい

東邦薬品株式会社 長崎淳

とある元芸能人(夫)が金銭的理由から離婚したという話題がありました。定職に就けず収入がなく子育てができないので奥さんから三下り半を突き付けられたというものです。何でも奥さんがアルバイトで月5万円ほどを稼いでいても、夫が月3万円のタバコ代を使っていたということが分かり、ネット上でかなり非難を受けていました。その記事を読み「月3万円のタバコ代って高いなあ」と最初は思ったのですが、よくよく考えると今標準的なタバコって500円台後半なんですね。一日35本吸う人は3万円になる計算です。働かず引きこもっていたらこれぐらいの本数はあり得ることで、それほど珍しくないかもしれません。
それで思い出したことがありました。私は大学生時代から35歳まで喫煙者でした。学生時代、仕送りとアルバイトで生計を立てていましたが、アルバイト代が少ないと財布が乏しくなり食費かタバコ代を削るしかありません。その際何を最後まで残すかといえばタバコ代と考えていました。よく友人とも「食事は減らしてもタバコは確保したいよね」と話したことを覚えています。そう、今から思うとすっかりニコチンに取りつかれていたのです。これがニコチン依存症なのかと今更ながら認識しました。
食費を削ってもタバコ、奥さんの稼ぎしかなくてもタバコ。ネットで非難する以前の問題に、ニコチン依存症の恐ろしさをあらためて感じます。


2022年1月号
たばこのない国

協会けんぽ秋田支部 梅津 真美

2022年の年が明けました。先日、さきがけ新聞に『ニュージーランド政府は「たばこのない国」を目指す』という記事が掲載されていました。14歳以下の少年少女が生涯にわたって紙巻きたばこを購入するのを禁止する法案成立(2022年12月)が目指されているそうです。アーダン首相は「たばこの価格をこのまま上げ続けても、もはや禁煙を促す効果はない」と話されているとの事でした。
早速、ニュージーランドのたばこの価格はいくらなのだろう?とネット検索すると、20本入りのマルボロ1箱、24.26ドル(約2725円)らしいです。以前、旅行に行ったことのあるオーストラリアが世界一高くて驚きました。日本のたばこは値上がりしたとはいえまだまだ安い気もしてきたし、ニュージーランドの電子たばこ対策はどうなっているの?と新たな疑問も出てきました。秋田県、日本のみならず、各国の受動喫煙対策も目が離せませんね。


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