The Anti-Smoking Society in Akita(ASA)
秋田禁煙サロン 2019年
このたび秋田・たばこ問題を考える会では、タバコによる健康被害の実態をもっと多くの人々に知ってもらう必要を感じ、会員が交代でコラムを書くことにしました。 このホームページをきっかけに禁煙に成功し、タバコの害から逃れる人が一人でも増えることを切望します。
2019年12月号
ひろがれ受動喫煙防止の輪
松田歯科医院 松田哲朗
今年もあと僅かですが、皆様におかれましてはどんな一年だったことでしょうか?
ラグビーワールドカップも話題でしたが、我々秋田たばこ問題を考える会ではもっと大きなニュースがありました。それは受動喫煙防止条例の制定です。
今年の7月2日、秋田県で受動喫煙防止条例が制定されました。制定した時期に関しては全国で7番目となりましたが、その内容に関しては各都道府県の受動喫煙防止条例と比較しても非常に踏み込んだ内容であり、注目される条例となりました。これにはがん死亡率のワースト1からの脱却や官民ともに健康を願う一人一人の思いや協力があり、そのようなワンチームの努力と強い意志が妥協のない本来あるべき姿の受動喫煙防止条例の制定に結実したのだと思います。
来年は2020年オリンピックの年であります。IOCからもタバコのないオリンピックを求められる中、各都道府県での受動喫煙防止条例の制定が加速される可能性がありますので、その時には秋田県の受動喫煙防止条例がスタンダードモデルとなって制定されていくことを願います。
2019年11月号
久々に燃えてます
大館保健所 兎澤真澄
平成29年3月で、めでたく定年退職した後、再任用職員としてそのまま同じ職場に勤務しております。たばこ対策については、若手男性保健師が熱心に取り組んでいるため、もう表舞台に立つことは無いと思っていました。
ところが、ひょんなことから、秋田魁新報社主催の「たばこと健康を考えるセミナーIN大館」のパネリストの一人となり、久々にたばこにまつわるデータを調べてみました。資料は3年に1回実施されている「秋田県健康づくりに関する調査報告書」です。そもそも大館保健所がたばこ対策に力を入れたのは、この調査において大館保健所管内の喫煙率が平成15年の調査開始以来、県平均より高く推移してきたことも一因だったのですが、平成27年にはほぼ県平均と同じレベルになり、平成30年には下回っておりました。大館保健所のたばこ対策が少しは功を奏したのかなとほっとしました。
また、平成24年から追加された「受動喫煙の機会」に関する設問では、県・大館保健所ともに「家庭で受動喫煙が毎日ある」と回答した人は、右肩下がりに低下しているものの平成30年時点で6~7%ありました。残念なのは、「職場で受動喫煙が毎日ある」と回答した人は、県・大館保健所管内とも平成24年よりは低下したものの、平成27年・平成30年は横ばいで約10%ありました。次回の令和3年には、この数値がほぼ0%になるはずと思うと、感無量です。
しかし、そのためにも、今やらなければいけないことは、改正健康増進法や受動喫煙防止条例を隅々まで浸透させ、受動喫煙対策を実行してもらうことです。大館保健所では、事業所・ホテル・飲食店ごとに、実施しなければいけない対策をフローチャートで示し、選択した受動喫煙対策に関する解説や掲示するべき標識がわかるようなシートを作成し、相談対応しております。
この普及のため、久々にたばこ対策に燃えています。
2019年10月号
タバコ雑感「祝、禁煙10年!」
元秋田県がん対策室長 金子治生
私はタバコが嫌いである。以前は吸っていたので正確には「嫌いになった」が正しい。タバコのことを学び、タバコの正体を知れば知るほど、タバコと距離を置くようになっている。
ところで、私がタバコをやめて今年でちょうど10年になる。やめることになった直接のきかっけは、上司の一言だ。
10年前、私は人事異動で県民の健康に関わる業務(がん対策)の担当となった。残業していたある日、直属の上司に誘われて飲みに出ることになった。頑固で厳しいと噂の上司である。
サラリーマンが集う普通の居酒屋。テーブルには金属製の薄っぺらな灰皿が「どんどんすって下さい」とばかりに並んでいた。当時はどこの居酒屋もそんな感じであった。
当時、喫煙者だった私は誘惑に負け、懐から何気なくタバコを取り出して咥えようとした。その時である。上司が厳しい眼差しで私の顔を正面から見据えた。そして、静かに重い決意を込めた口調で「もうタバコはやめにしよう!」と呟いたのである。
そして「県民の健康を考える者が、タバコを吸っていては説得力がないだろ!」と続いた。その鬼気迫る迫力に完敗し、私は咥えかけたタバコを箱に戻し、テーブルの下でそっと箱ごと握り潰した。それ以来、一本たりともタバコを咥えていない。
私は先日、60歳で無事定年退職となったが、息切れもなく元気である。これもタバコをやめさせてくれた上司のお陰と感謝している。その上司とは今でも時々酒を酌み交わしては、当時を懐かしんだりしている。
2019年9月号
望まない受動喫煙
全国健康保険協会 梅津真美
先日、旅先で楽しみにしていた「牛タン」を食べる機会があった。私はカウンターに座って美味しく食べていたところ、隣の席に来客があり、席に着くなりタバコを一服し始めた。牛タンは美味しかったが、途中から残念な気持ちになった。
帰りは新幹線を利用したが、隣席の方はワイシャツの左胸ポケットにさきイカを入れて、ビールを飲み始めた。そして私の苦手なタバコの臭いも漂ってくる。結局、乗り物酔いをしてしまった。ちょっとハズレの一人旅となった。
望まない受動喫煙は、このように日常に潜んでいて我慢することが多く、ちょっと残念な気持ちになってしまう。秋田県のホームページを見ると『受動喫煙防止対策は「マナー」から「ルール」へと変わります』と書かれていて心強く思う。秋田が故郷で嬉しい、今日この頃です。
2019年8月号
世界禁煙デー秋田フォーラム2019
協会けんぽ 秋田支部 二田幸子
当協会けんぽの保健師・管理栄養士は事業所を訪問し、一人ひとりと面談し、特定保健指導を実施しています。
その中で喫煙者に対しての禁煙指導は必須であり、非常に重要な取り組みの一つになっています。
2019年6月1日 カレッジプラザで開催された「世界禁煙デー秋田フォーラム2019」に参加した協会けんぽの保健師・管理栄養士が感じたことをまとめてご紹介いたします。
青森・岩手・秋田の現状が紹介されましたが、「子供を巻き込んだ禁煙ポスターコンクール」など集客方法の参考になりました。印象に残ったのは秋田県の取り組みが非常に先進的だということです。官民あげて取り組んでいることを今更ながら再認識したフォーラムでした。県庁は全国で2番目に敷地内禁煙に踏み切り、条例の制定も間近です。また、フロアーからのご意見は非常に興味深い内容であったと思います。
少子高齢化が進む秋田県の次世代を担う大切な子供たちが吸わないまま吸わない大人になってほしいと願います。また、受動喫煙のない環境を作ることが大人の大切な役割だと思います。
2019年7月号
ある日の抄読会
平野いたみのクリニック 平野 勝介
私が秋田大学麻酔科に入局した昭和51年当時、東北の有力な麻酔科教授は概ねヘビースモーカーだった。今では信じられないだろうが、麻酔科学会東北地方会の会場には灰皿が準備されていたのだ。
秋田大学の初代麻酔科教授のW教授もヘビースモーカーで、モーニングカンファレンスや医局会、抄読会が行われるゼミナール室には灰皿と徳用箱のマッチが置かれていた。
W教授が医学部長になられた頃、それで命根性が惜しくなったのか、とはとても思わないが、突然に禁煙をなされた。
何故分かったかと言うと、あの風貌で禁煙パイポを口にくわえる異様な光景を目撃したからである。
当時は土曜日が休みではなかった頃で、土曜日の午前に医局会と抄読会が行われた。その日、W教授は禁煙パイポをくわえて定位置の上座に着席された。
その日の抄読会は全く興味のない分野で、しかも精読に近い状態で進行したため、なかなか終わらず、私は文字を追うのを止めて顔を上げた。静かなゼミナール室に演者の少し高い声だけが響いていた。
急に寒く感じてきたのは、全員の基礎代謝が低下して室温が下がったからかなあ、と勝手に想像していた時、W教授の左手が静かにマッチの徳用箱へ動いた。
「まさか・・」と思い見ていると、次いで右手が箱からマッチを1本取り出し素早く火を点けたのである。
「先生!」と思わず指をさして叫んだ。
抄読会の声が止まり全員が顔を上げてW教授を見つめた。
「これは禁煙パイポだよ」と言って、照れくさそうに右手を2~3回振って火を消し、それを灰皿に捨ててすぐに文献に目を落とされた。
ゼミナール室には、再び静寂が戻り、少し高い演者の声だけが再び響いたのである。
2019年6月号
タバコと栄養について
山王たいよう薬局 高橋香
今までの私は自分が食べてきたものから作られている。
人は60兆個の細胞からできています。
その一つ一つの細胞は遺伝子の設計図により作られています。
そして、人の身体の材料は炭水化物とタンパク質と脂質が三大栄養素であり、その他にもビタミンやミネラル、最近はフィトケミカルなど様々な栄養素が関係していると言われています。
男性の肥満や生活習慣病、女性の低栄養や骨粗しょう症など、栄養のバランスは私たちの身体を作り上げる上で切っても切れない要となる物なのです。
特に女性は美容の観点からも抗酸化作用のある食べ物や化粧品にも興味がある人が多くいるものの、実際に自分が食べている物に無関心の人が多くいるのを残念に思います。
口にする物として、食べ物以外にもタバコもあります。
タバコと栄養に関しては、喫煙者は抗酸化ビタミンのビタミンCやビタミンA、ビタミンEも大量に消費される事が分かっています。
タバコにより、ニコチンが身体の中に入るとその有害物質を排除しようと活性酸素が働き、細胞を傷つけ様々なビタミンを破壊してしまうのです。
抗酸化ビタミンの大量消費により、シミや顔のくすみの原因、または傷が治りにくかったり、風邪を引きやすくなったりします。
自分の健康に不安を感じる方、また身の回りの大切な方を守るにもやはりタバコの有害性を考えなければいけません。
もし、今喫煙をしている方がいるのであれば、健康的で明るい未来のために禁煙をお勧めします。
今までの私は自分の食べたものからできている。
言うなれば、明日からの私は、自分の口にするもので未来を変えることが出来る、という事です。
2019年5月号
私がたばこの勉強をはじめた理由
秋田厚生医療センター 渡部裕子
いきなり結論から書きます。理由は、父にたばこの害を知ってもらい、禁煙してもらうためです。父自身の健康や私と母の健康、愛犬の健康を守りたかったから、まずは私が勉強しようと思い立ったのです。
私が、秋田・たばこ問題を考える会に入会させて頂いてから3年弱経ちますが、父はまだ禁煙していません。ここ最近は、紙巻きたばこではなく、加熱式のたばこを使用してます。加熱式たばこは、紙巻きたばこと同様に『たばこ』は『たばこ』なのだとよくフォーラムなどで聞きましたが、本当でした。確かに、煙は少ないですが、紙巻きたばことは違う紙の焼けるような嫌な臭いがします。それだけではなく、やはり吸ってる本人も周りも害があるものです。
父に禁煙してもらうまでは、勉強を辞められません。また、少しでもたばこで嫌な思いをする方が減るように、勉強と活動を頑張っていきたいです。
2019年4月号
一病息災
東邦薬品(株) 佐賀麻衣子
「一病息災」・・・病気もなく健康な人よりも、一つぐらい持病があるほうが健康に気を配り、かえって長生きするということ。
まさに、その通りだと思う出来事が一つ。
10年前、一度はタバコを辞めたものの、一年足らずでまた復活を果たしてしまったAさん。最初はタバコがばれてしまったことに罪の意識を感じていたものの、今となっては、全く気にするそぶりはなし。愛する家族の説得には耳も傾けず吸い続けること10年。年に一度の健康診断では「脂肪肝」と診断され、かかりつけ医への受診を促されるも、痛くも痒くもない状態に、受診は後回し・・。
「自分は大丈夫」そんな根拠のない自信がAさんにはあったのかもしれません。
ある日、突然強い胸の痛みに襲われたAさん、救急車で運ばれると、あれよあれよという間に即手術。
Aさんの心臓を取り囲む血管は数箇所詰まり、あと少しで心不全を起こすまでの状態になっていました。
こんな状態になって初めて気付く、健康の大切さ。現代の素晴らしい医療技術で無事回復したAさんは、そこできっぱりタバコをやめました。毎日のタバコが蝕んでいた、細い細い糸のような血管のレンドゲン画像は、大きなショックを与えたようです。
今は、たくさんの病気を治すすばらしい薬、そして医療技術がたくさんあります。しかし、健康の根本は、日々の生活環境にあるということを、今一度見直すとてもいい機会になったようです。
Aさんは今、少し恥ずかしそうに、「タバコはやめた方がいいよ」と、周りに小さな禁煙活動を始めています。
2019年3月号
依存症という病気を考えましょう
由利組合総合病院 折野公人
最近、有名芸能人やスポーツ選手が、違法薬物所持もしくは使用により逮捕されることがあります。これら薬物の常習になってしまうと、やめることがなかなか難しくなります。それが薬物依存という状態です。
タバコにはニコチンという強い身体的依存を伴う物質が入っています。タバコをやめられないというのはニコチンという薬物への依存状態にあるからなのです。文献によれば、ニコチンの依存症のなりやすさは、ヘロインやコカインよりも強いと言われています。また禁断症状はアルコールやヘロインには及ばないけれどもコカインよりも強いといわれています。ですから、禁煙をすることは、ニコチン依存症という病気を治療する医療と考えられているのです。(当然、加熱式タバコにもニコチンは入っています。)
私たち医療者は、依存症になってしまった人が悪いとは考えず、そのかかってしまった病気の原因を明らかにし、治療に力を注ぎます。病気を憎んで人を憎まず。優しい視線で治療をサポートしてまいります。
2019年2月号
火事とタバコ
佐藤薬局 佐藤健
秋田県内では12月ごろより火事のニュースが相次いでいる。そこで、火事について調べてみると、平成29年の出火原因1位は「タバコ」、2位は「放火」、3位「コンロ」であり、その中で、建物火災の出火原因は1位「コンロ」、2位「タバコ」、3位「放火」となっていた。以前からタバコが原因の火事は多そうだなとは思っていたが、総務省によると年間3700件、建物火災で2000件もあるようだ。
タバコが原因の火事を細かく見てみると、最も多かったのが,タバコの火種が布団や座布団などに落下したことにより出火したもの、2位がタバコの投げ捨て,いわゆるポイ捨てで、屋外に置かれた段ボールや雑誌類,河川敷の下草などが燃えたもの、3位が消火不十分な吸い殻をごみ袋やごみ箱に捨て,残った火種がごみなどに着火したものとなっていた。
タバコの火種の落下に気付かなかったり,ティッシュに包んでごみ箱に捨てるなど,不適切な吸い殻の後始末により火災となるケースが増えているという。寝タバコによる火災件数自体は多くないようだが、死者や負傷者が発生するなど,一度起こってしまうと命の危険につながるとのこと。また、寝タバコによる火事は、火災保険の対象外となることもあるようだ。健康を害し、火事まで起こす大きな要因となるタバコとはまさに恐ろしいものである。
2019年1月号
「秋田県受動喫煙防止条例(仮称)」に関心を持って!
秋田県健康福祉部保健・疾病対策課 滝本法明
2019年、新しい年がスタートしました。
秋田県では現在、新しい条例の制定に目指していろいろな動きがあります。
昨年12月、秋田県知事は受動喫煙防止対策を強化するため、条例を制定する方針を示しました。そして、県は、この条例に係る基本的な考え方をまとめて、昨年12月21日から1カ月間、パブリックコメント(意見募集)を実施しました。2月には、パブリックコメントへの県の回答を公表し、条例案の骨子を県議会に示す予定です。
条例に、県民、事業者の責務がどう盛り込まれるのか、昨年7月に成立した改正健康増進法や国際標準と比べて施設の種類ごとの具体的な規則はどう違うのか、など多くの人に関心を持ってほしいと思います。
今、秋田県のがん死亡率はワーストですが、子供たちにこの状況を引き継ぐわけにはいきません。だからこそ、望まない受動喫煙に決してさらされない「受動喫煙ゼロ」の環境づくりを進めなくてはなりません。みんなでこの条例策定の動向に関心を持ち、条例の目指している姿を考えて、一人ひとり、自身の行動につなげましょう。