秋田禁煙サロン 2026年

このたび秋田・たばこ問題を考える会では、タバコによる健康被害の実態をもっと多くの人々に知ってもらう必要を感じ、会員が交代でコラムを書くことにしました。 このホームページをきっかけに禁煙に成功し、タバコの害から逃れる人が一人でも増えることを切望します。


2026年4月号
受動喫煙と禁煙支援について

山王たいよう薬局 髙橋香

車で通勤していると、信号待ちの際に前後の車や対向車の中で、加熱式たばこを吸っている人を見かけることがあります。最近では紙巻きたばこよりも加熱式たばこを吸う人が増えているように感じます。車内には子どもや家族が同乗していることもあり、密閉された空間での受動喫煙が気になる場面も少なくありません。

加熱式たばこは煙が少ないという印象から「紙巻きたばこより安全」と思われがちですが、ニコチンを含む製品であることに変わりはなく、受動喫煙による健康への影響も指摘されています。自分では気づかないうちに、大切な家族を受動喫煙にさらしてしまっている可能性もあります。

喫煙は単なる嗜好ではなく、ニコチン依存という「治療が必要な状態」であることも広く理解される必要があります。禁煙は意思の力だけで達成するのが難しい場合も多く、医療機関では禁煙補助薬を用いた薬物療法など、科学的根拠に基づいた治療が行われています。

薬剤師には、禁煙治療に用いられる薬の正しい使い方や、副作用、対処方法などを丁寧に説明する役割があります。正しい知識を伝え、禁煙を目指す人を支えることは、医療職として大切な責務だと感じています。

また、人はニコチンによる一時的なドーパミンの快感だけでなく、人とのつながりから生まれるオキシトシンや、心の安定に関わるセロトニンといった物質によっても幸福感を得ることができます。健康的な生活や人との関わりの中で得られる喜びは、喫煙に頼らなくても私たちの心を満たしてくれるものです。

禁煙は本人だけでなく、家族や周囲の人の健康も守る行動です。私たち医療者は、受動喫煙の問題や禁煙治療について、正しい知識を少しずつでも社会に伝えていくことが大切だと考えています。

禁煙は、自分の健康だけでなく、大切な人の健康を守る選択でもあります。


2026年3月号
健康被害が禁煙の契機に。

秋田大学附属病院 看護部 看護師 渡部裕子

たばこが心疾患の最大の危険因子の一つであることは、最近では広まってきている(以前よりは。)と思う。
私の個人的な話にはなってしまうが、先日叔父(50代後半)が、仕事中に数分の胸痛を感じ、病院で検査を受けると、冠動脈という心臓を栄養してる血管が細くなっていた。つまり、狭心症と呼ばれる状態でした。叔父の場合、細くなっていた箇所も4箇所あり、すぐにカテーテルで血管をひろげてもらいました。

叔父は痛風はあるものの、職場の健康診断で他の指摘事項は無かったそう。しかし、20歳から狭心症と診断されるまでたばこを吸っていました。叔父から狭心症の話を聞いた時、すぐたばこが大きな原因となったんだなと思いました。幸い叔父はすぐにたばこをやめ、今は吸っていません。叔父曰く、思ったよりすぐ辞められたと言います。しかし、人によっては、禁煙外来の力が必要な方もいると思います。たばこは正しい知識、正しい治療、やめる決意などが必要で辞めるのが大変かもしれない。たとえ健康被害が契機でも、禁煙できる人が増えるといいと思う機会となりました。


2026年2月号
ニコチンの沸点247℃

由利組合総合病院 折野公人

沸点とは液体が沸騰する温度のことです。ニコチンの沸点は247℃とされています。

最近の加熱式タバコは、高温加熱が主流で300℃以上に加熱することで、タバコ葉に含まれるニコチンを気化させて、蒸気と一緒に吸煙される仕組みです。

タバコをやめられない状態を医学的にニコチン依存症と呼びます。加熱式タバコもニコチンを脳に確実に供給し、ニコチン依存症を続けるための道具なのです。加熱式タバコに変えたとしても、タバコをやめることはできません。これからもずっと高い料金を払って、身体にとって有害な物質を、ニコチンと一緒に取り込み続けることになるのです。

ハームリダクション(害の低減)というのは、見えない煙に潜む罠、だまされてはいけません。


2026年1月号
タバコの匂いと熊

佐藤薬局 佐藤健

昨年は各地で熊の出没が相次いだ。その中で、「熊にはタバコの匂いが効くらしい」という話を聞く機会があった。果たして本当にそうなのだろうか。気になって調べてみたところ、結論から言えば「タバコの匂いが熊よけとして有効である」という科学的根拠は、現時点では見つけられなかった。確かに、熊は嗅覚が非常に鋭く、人為的な強い匂いを警戒することで知られている。そのため、「タバコの匂いは人の存在を感じて避けるのではないか」と考えられることもある。しかし、一方で、熊がタバコを嫌がると証明した研究はなく、人の生活臭に慣れてしまっている熊も多いため、人の気配を感じて近づくリスクも指摘されていた。

「タバコの匂い」は民間の経験談として語られることはあっても、確実な予防策として頼るものでないというのが現実的である。現在推奨されている対策としては、熊鈴やラジオなど「音」で存在を知らせることや、複数人で行動することが挙げられる。


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