The Anti-Smoking Society in Akita(ASA)
秋田禁煙サロン 2018年
このたび秋田・たばこ問題を考える会では、タバコによる健康被害の実態をもっと多くの人々に知ってもらう必要を感じ、会員が交代でコラムを書くことにしました。 このホームページをきっかけに禁煙に成功し、タバコの害から逃れる人が一人でも増えることを切望します。
2018年12月号
広がれ「きれいな空気」
秋田県能代保健所 武藤 順洋
県本庁舎、出先機関で「敷地内禁煙」が開始(H30.10)されてから3ヶ月が経過しました。職員は敷地外においても勤務時間中は禁煙で、これをきっかけに禁煙にチャレンジする職員が増え、やはり環境が与える影響は大きいものがあります。敷地内禁煙の取組は、県、市町村の中で県が一番手でしたが、嬉しいことに市町村においても同調の動きが少しずつ広がってきました。
少子高齢化が日本一のスピードで進む本県では、「健康寿命日本一」を掲げ、オール秋田で健康づくりを推進しており、健康の大きな障害となるタバコ対策について、行政が率先して取り組む必要があります。
自然豊かで美の国なれど、まだまだタバコに寛容な秋田。タバコが吸われ短くなれば、寿命も短くなる。こうしたことを意識していただき、タバコに命や財産が削られない、きれいな空気があたりまえの秋田が広がるよう啓発に努めていきたいと思っています。
それにしても、庁舎内禁煙に取り組んだ頃と比べると大きな進歩。会員の皆様の努力が目に見えて嬉しく思います。(祈)一緒にきれいな空気を広げてくださる方々が増えますように。
2018年11月号
判断し指示するのは誰?
ほの花調剤薬局いずみ店 佐藤 拓哉
1970年交通事故での死亡者はピークに達し16700人程にも及んだ。交通戦争とも呼ばれたこの緊急事態に政府は歩道や信号機の整備の徹底を始めた。加えて緑のおばさん運動を開始し学校近くの交差点で黄色い旗を振ることで子供たちの安全確保に努めた。また警察は交通事故から身を守るための知識や技能を習得することに重点を置いた交通安全教室を行った。そういった努力で死者数は2017年には3700人までみるみる減少した。
受動喫煙が原因で死亡した数を見てみると2016年厚生労働省研究班の発表では交通戦争と同様の15000人にも達した。この事態に政府はいかなる対策を行うのだろうか。例えば歩道や信号機の整備同様、早急に全国的な受動喫煙防止法(可能でああれば罰則付き)の制定を行う。緑のおばさんと同様、タバコの害の啓もうや禁煙促進を目的とした受動喫煙防止の活動者を増やす。また警察と同様、国民個々がタバコの害や受動喫煙についての正しい知識を持つための講習会を行う。と置き換え実行できればと死亡者数はみるみる減少すると思う。
しかし、現状政府が本気で死亡者を減らすという緊急性を全く感じないのは私だけだろうか。テレビ含めマスコミがこぞって受動喫煙やタバコの害についての特集やコマーシャルを積極的に流すことができれば国民に対する禁煙効果や健康増進はすぐに表れることと思う。「喫煙者と禁煙者の共存な世界」などというフレーズをテレビで耳にするが、それは喫煙者の一方的な言い分で禁煙者にとっては単に苦痛なだけである。
数ヶ月前、当薬局の禁煙補助薬の処方せんが急増した。保険番号を見て特定の職域の患者さんとすぐに理解し話を聞くと「来月から職場が完全禁煙になるのでいよいよ禁煙の決心した」という方ばかりだった。何事も上層部が判断し実行しないとダメなのです。
2018年10月号
三次喫煙(サードハンド・スモーク)について
日本赤十字秋田看護大学 小笹 典子
先日、ある会社の営業の方が研究室に来ました。75センチ幅のテーブルに向かい合って座り、お話をしているうちに頭痛がしてきました。そういうことはたばこの煙を吸った時ぐらいなので、不思議に思っていたところ、用事のために立ってその人のそばを通って判明しました。たしかに「たばこのにおい」です。「スモーカーでしたか。」とお聞きすると、驚いたように頷きました。
今年の4月に奈良県生駒市が喫煙した職員は「45分間、エレベーターの利用を禁止」とする受動喫煙対策を導入しました。喫煙後の室内や服、息などから検出される残留たばこ成分に接触することで生じる「三次喫煙」対策の一環だそうです。エレベーターという密閉された空間で、喫煙後の息に含まれる有害なガス成分を周囲の人が吸い込むのを防ぐのが狙いです。確かに、エレベーターに乗り合わせた人から、「たばこのにおい」がして、頭痛を起こしていました。このような施策が広がること、そして一日も早くたばこフリーの社会になることを望んでいます。
2018年9月号
加熱式タバコ喫煙専用の喫煙ルーム
大館市立総合病院 高橋義博
加熱式タバコの利用者は増加していると聞いていますが、最近、当院での駐車場内で吸っている方も多くなりました。従来のタバコは、車の窓を少し開けていると駐車場内に入るかなり前から臭いが漂ってきて気が付き、車内で吸っている方を見かけると、窓をトントンたたいて注意していますが、敷地内に駐車場も含め喫煙全面禁止という看板が複数設置していることから、ほとんどが素直に喫煙を中止してくれます。一方、加熱式タバコは、従来のタバコと異なり煙が目に見えにくく、あまり臭いがしないため、近くでなければ気が付かないこともあります。加熱式タバコを吸っている方も見つけたら注意していますが、その臭いが従来のタバコと異なる、どちらかというと何か豆を炒っているような香ばしい臭いとあまり臭いとして気にならないもの(プルームテックがそうらしいのですが)とがありました。
先日、学会で広島市へ出かけた際の広島駅北口にあるショッピング施設「ekie」の1階フロアで見かけた驚きの喫煙ルームをみました。喫煙ルームが2室に完全に仕切られていて、1室はどこでも見られる喫煙ルームですが、もう1室が加熱式タバコ喫煙専用室であったことです。喫煙者の中にも従来のタバコ臭が気になる方が増えたのか、衣類に臭いがしみ込んで周囲からサードハンド・スモーキングとして指摘されるのを防ぐためなのか、そのほかの理由なのか、?でした。
2018年8月号
秋田県庁、敷地内禁煙実現!
出戸診療所 萱場 恵
平成30年10月1日、秋田県庁で敷地内禁煙が実施されます。さらに、職務時間内は、どこにいても喫煙をしてはならないというものです。
健康寿命日本一を目指すと宣言した県ですから、「やっと」ではありますが、拍手です。
帝国データバンクが昨年行った職場の禁煙施策調査では、5社に1社以上の22.1%が「全面禁煙」と回答。特に不動産、金融、サービス業は30%を超えているそうです。
昨今、「喫煙者不採用」としている企業も増えています。営業の方は、特にお客様からのクレームが減って、業績が伸びたところもあるようです。
その環境に惹かれて応募してくる若者も多いようです。
では、現在働いている喫煙者にはどういった支援が禁煙、卒煙に効果があるのでしょうか。
喫煙の害については、喫煙者も自覚しているようですので、今さらです。
職員の喫煙率を低下させることに成功した企業では、禁煙外来や、禁煙薬の購入費を助成する、非喫煙者に手当を支給すると言った具体的な支援が功を奏しているようです。
ただ、中小の企業では、なかなか難しい職場もあろうかとは思いますが、職場の禁煙意識がさらに広がってくれることを期待しています。
2018年7月号
禁煙治療1000例から学んだこと
すずきクリニック 鈴木裕之
2006年にすずきクリニックを開設以来、約12年間で保険適応禁煙治療症例が1000例を超えた。1例目から1000例目まで4304日間を要したので、約4日に一人の禁煙希望者が受診したことになる。受診者数は初年度の2006年はわずか30名だったものの、タバコの大幅値上げがあった2010年は153名を記録した。その後2017年まで毎年約90名の受診者を数えていたが、昨年度は51名とかなり減少した。これは加熱式タバコの普及によるものと考えている。
受診者の性別では男性669例、女性331例と男性が女性の約2倍であったが、喫煙率は男性が女性の約3倍であるのことを考えると受診率としては女性が高いことになる。年代では30代(359例)と最も多く、次いで40代(267名)であった。使用薬剤はチャンピックスが7割を占めた。全体の禁煙成功率は53.7%で他施設からの報告より若干低かった。禁煙成功と関連があるのは性別(男性58% vs女性45%)、年代(20 代37% vs 60代71%)、受診回数(5回目92%)、精神疾患の有無(有38% vs無55%)で、男性・高年齢・多い受診回数・精神疾患なしの症例の禁煙成功率が高かった。使用薬剤、TDS、BI(喫煙指数)、初再診別、禁煙理由と禁煙成功率には関係を見いだせなかった。禁煙治療後の体重変化は男性+1.6kg、女性+1.7kgであり、使用薬剤による差はなかった。
これらの結果から禁煙成功率は女性の方が低く、女性はタバコをやめにくい事がわかった。若年者ほど禁煙治療に失敗する例が多く、年代が高くなるにつれて禁煙成功率が上がっていた。また、従来から指摘されていたように受診回数が多いほど禁煙に成功する割合が高くなり、当院の平均受診回数が増えると共に禁煙成功率も改善していた。当院では患者さんにかける言葉をそろえること、患者さんごとに担当者を決め、毎回同じ看護師が対応すること、途中で失敗しても必ず受診するように指導すること、薬局と連携して同じ表現で指導することなどの工夫をしている。
以上、1000例の禁煙治療から男性・高年齢・多い受診回数が禁煙成功の要因であることがわかり、今後はいかに最終5回目まで通院を継続してもらうかが課題である。この詳細は第12回日本禁煙学会学術総会において発表予定である。
2018年6月号
居酒屋禁煙化のチャンス
たわらや内科 俵谷幸蔵
これまで居酒屋を禁煙にすると、売り上げが減るとか、客足が遠のくとか言われてきた。
しかしながら、日本の喫煙者の割合は年々減り続け、成人男女に占める喫煙者の割合は2017年には18.2%と、タバコを吸わない成人が約8割を占めるようになった。
外食大手の日本マクドナルドは、全店全席禁煙を実施し、家族連れの来店客が増えているとのことである。また居酒屋大手の串カツ田中は、2018年6月には180余りある店舗のほぼ全店で全席禁煙に踏み切ることになった。
これからは居酒屋でも子ども連れの客が増え、またきれいな空気の環境は、働く従業員の健康にもよく、従業員の確保も容易になる可能性が出てきた。
最近、副流煙のないアイコスなどのタバコが日本で急増しているが、加熱式タバコを吸って吐き出したエアロゾルは2~3メートル先まで拡散していることが特殊なレーザー光線で判明し、周囲の人にニコチンや発がん物質等の受動喫煙被害を生じさせる可能性が指摘されている。
2年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、加熱式タバコも含めて受動喫煙に関する具体策が急がれる。
2018年5月号
非燃焼式加熱式タバコの事実をもっと知らせましょう
秋田厚生医療センター 添野武彦
ドック検診を行っていて、最近目立って来た事に、非燃焼式加熱式タバコを吸っている人が増えている印象がある。検診受診者で喫煙者には、その都度禁煙を勧めているので、リピーターの方々で喫煙の続いている方の多くは、済まなさそうな表情で、言い訳をされていく。
しかし『最近加熱式タバコに替えました』と得意げに仰る方も、少なからずいらっしゃる。確かに禁煙外来でこのような方の呼気中一酸化炭素濃度を調べても、正常範囲内である。【加熱式タバコは、受動喫煙の及ぼす被害が少ない】という、タバコ会社の宣伝に巧く乗せられている感じがして、お気の毒になる。それでも発がん物質等が含まれている事をお話すると、関心期にある方々は理解を示してくれる。このような巧妙な詭弁ともいえる宣伝に惑わされないよう、禁煙キャンペーンを拡げていきたいものである。来る6月2日の東京都医師会長・尾崎治夫先生のご講演を心待ちにしているこの頃である。
2018年4月号
贖罪
しらゆき調剤薬局 石原 英一
タバコの煙で輪っかを作ること(煙を口から出す際に)にあこがれ、始めてしまったタバコ。その後十数年吸い続け、ある年の年末年始の9連休でやめようと一大決心。ニコチンガムを2か月かんでめでたく卒煙した。現在卒煙してから15年が経ち、私は学校薬剤師として、担当している学校の小学6年生に対して毎年喫煙防止のためのお話をしている。内容は、美の国秋田ネットで公開されている「タバコものしりクイズ」。児童にクイズに答えてもらい、その答えを解説している。その際、タバコの煙で血流が悪くなる動画や、スポンジを肺に見立ててタバコの煙でタールが貯まる様子をあらわした動画、タバコの煙が肉眼で見える以上に広がる動画など、子供たちが飽きないよう所々に動画を用いる。そして自分が喫煙者だったことをカミングアウトし次のように話を締めくくる。
「今タバコを吸っている大人のほとんどが、君たちみたいに学校でタバコの害を学んでいるわけではありません。タバコの害のことを知らずに吸ってしまったんです。タバコの害を知らないで吸っている人(または吸ってしまう人)がこれからいなくなるように、今日学んだことをたくさんの人に教えてあげてください。タバコの害のない世の中を君たちと一緒に作っていけたらうれしく思います」
私がタバコを吸っている間、受動喫煙によって周りにいるたくさんの人たちに迷惑をかけた。これからの活動で少しでも罪滅ぼしができればと身勝手に考えている。
2018年3月号
禁煙のエバンジェリストになろう
朝日新聞秋田総局 記者 村山惠二
飲食店の口コミをウェブサイトに書くとき、禁煙以外の店では、評価を一段低くして、コメントの最後に「禁煙なら星一つアップ」と書き加えます。
店主と顔なじみの場合は帰宅後、メッセンジャーで「禁煙にしたら、もっとおいしくなるのに」と送ります。別の意味で「煙たがられている」でしょう。
何もしなければ、何も変わりません。私たちは「秋田・たばこ問題を考える会」の会員ですから、禁煙のエバンジェリスト(伝道者)であるべきです。
「禁煙にしたら売り上げが減った」という店長に聞いてみたら、「加熱式のみ可」にしていました。禁煙だと信じて来店した客の「裏切られた感」は想像できます。加熱式もやめるよう、アドバイスしました。
いろんな反論をしてくる飲食店経営者を論破できるように、会で想定問答集を作るのも一つの手です。秋田のおいしい酒をおいしく飲める店を、我々の活動で増やしていきましょう。
2018年2月号
「禁煙バッチがつなぐ縁」
中通総合病院 医師 篠崎真莉子
1年ほど前から禁煙診療も担当するようになりました。まずは形から、と昨年の禁煙学会総会にてポップなデザインの禁煙バッチセットを入手しました。さっそく一つ名札につけ、患者さんや職員にさり気ない(?)アピールを開始。すると、研修医1名が『そのバッチを僕にもください』と希望してくれたのです。仲間が増えました。さらについ先日、元喫煙者である別の研修医から『ついに禁煙に成功しました。僕もそのバッチが欲しいです』と嬉しい告白がありました。彼は、紙巻きたばこから加熱式たばこへ変更、しかし比較的高額で手間もかかる加熱式にしてまで喫煙していることがふと馬鹿らしくなり、禁煙に成功したそうです。これでまたまた仲間が増えました。
寂しいですが、彼らはこの春に当院の研修医を卒業し、ここから巣立っていきます。しかし、それぞれの新天地で、それぞれの診療科で、このバッチをつけてともに禁煙診療に携わり続けてくれることを約束してくれました。もうすぐ4月、また新たな仲間が増えることを楽しみに、私自身も禁煙活動を続けていきます。
2018年1月号
一緒に踊ろう!「禁煙すわん君」
秋田大学医学部救急集中治療医学講座 医師 佐藤誠
縁あって2016年から日本循環器学会の禁煙推進委員を務めさせていただいております。本学会は循環器医療の専門家集団として、自らの足元から禁煙および受動喫煙防止活動を積極的に推進するとともに、その重要性を社会に発信することを目的に禁煙宣言を行っています。
委員会の活動としては、他関連学会との共同での正確な学術情報の収集・提供、学術集会・地方会の中での医師やコメディカル向けの教育セッション開催、禁煙保険診療のサポート、プレスセミナーなどメディアを通じた啓蒙活動、市民向けの啓発イベント、SNSを通じた若年層への情報提供などを行っております(日本循環器学会公式禁煙キャラクターであるすわん君公式twitterはフォロワーが2000名もいるんです)。

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2013年4月に受動喫煙防止法が施行された神戸市では、急性心筋梗塞の発症数が2年間で100件近く減少しました(Circulation Journal 2016; 80: 2528-32)。こうした法規制による全面禁煙化の実施が循環器系疾患の減少につながることを医学者として検証・証明していくことも、専門家として政策・条例に介入することも、臨床家としての業務と同様に重要な仕事だと考えるようになりました。
東京オリンピック・パラリンピック2020に向けて、国際基準に則った屋内完全禁煙を整えることが、今、国際的に求められています。未来の日本を支える子供たちのためにも、みんなで声をそろえて、政策にコミットしていきましょう。

こちらは学会で作成した「禁煙すわん君」という曲に乗せたダンスの紹介です。