秋田禁煙サロン 2021年

このたび秋田・たばこ問題を考える会では、タバコによる健康被害の実態をもっと多くの人々に知ってもらう必要を感じ、会員が交代でコラムを書くことにしました。 このホームページをきっかけに禁煙に成功し、タバコの害から逃れる人が一人でも増えることを切望します。


2021年12月号
「くさい・・げんなり・・・」

協会けんぽ 秋田支部 二田 幸子

コロナ感染症が一瞬だけ落ち着いた(今となれば懐かしい・・・)時期を見はからい、秋田県内ですが電車に1時間ほど乗る機会がありました。自分の運転でない快適な旅を過ごして30分ほどたった頃、停車した駅から30代男性が乗り込み私の席の前に座りました。「ん・・・なんだ?くさい・・・」たばこの臭いがまとわりついてきました。呼気もありますが、衣類や髪の毛などから常に放散している感じで、快適な旅が一変して「げんなり・・・」で苦痛な空間となったという話です。受動喫煙おそるべし・・・。クリーンな空間に慣れているからこそ、以前に比べて敏感に察知してしまう感じがしました。前回2021年11月号 平野先生がお書きになっていた内容とかなり重なりました。
逃げ場のない臭いはきついですね・・・。


2021年11月号
喫煙車

平野いたみのクリニック 平野 勝介

すでに絶滅した喫煙車での記憶。新幹線1号車が喫煙車だった頃、ヘビースモーカーで狭心症の友人から仙台まで付き合えと言われて1号車に入った時、明らかに空気の色が変わり、徐々に喉が痛くなってきた。仙台駅到着後「先生、タバコ止めたほうが良いよ」と真剣に告げて下車した。
近鉄特急もかなり悪名が高く昨年(2020年)1月まで喫煙車を運行していた。
名古屋発で実家の四日市に停車する近鉄特急は1時間に3本もあり、ここまで便利だと20分待つのが嫌になる。子供たちが小学生だった夏の帰省時、名古屋駅構内で発車まで数分の近鉄特急券自動販売機に札を入れて慌てて座席を確保し1分前で間に合った。ホッとして前を見ると、紫煙が何本も上がっている。「喫煙車の座席を取ってしまったぁ」妻は怒るし、子供たちは文句を言うし、「30分くらい我慢しろ」と開き直った。その様子を聞いていた通路を挟む隣の方から「煙草を吸って良いでしょうか?」。


2021年10月号
「かっこわるいなぁ」

山王たいよう薬局 高橋 香

姉の大学の卒業式に出席するために家族でシカゴに行ったことがあります。12月のクリスマスの前にシカゴはマイナス15℃くらいだった記憶があります。そこで宿泊したホテルの朝食でレストランはホテルとは別棟でした。
家族みんなで寒い寒いと言いながらレストランに向かっていると、なんとバスローブ姿(!しかも下は薄着のようでした)で震えながらタバコを吸っている方々がいたのです。今考えると今から20年近くも前の出来事でしたが、その当時のシカゴは外での喫煙が認められていたのだなと思います。未成年だった私はこんなに寒い思いをしてまでタバコを吸わなければいけないなど理解ができないばかりでなく、何かをたしなむときには人に見られても恥ずかしくないようにしなければいけないと思いました。
その後大学生になり、たまたまUCLAから帰ってきた教授が授業中に同じことを言っていました。アメリカでは屋内禁煙は当たり前、喫煙者は大学内の遠く離れた小さな喫煙所で肩身の狭い思いでかたまってタバコを吸っていると言っていました。こんなにみじめな姿はないのだと・・・
2012年大学内で喫煙を禁止している大学は2017年には二倍に増えているそうです。また、紙タバコだけでなく電子タバコ・水タバコの問題がアメリカにはあるのだと学びました。
話は戻り、わたしが大学生だったときにやっと分煙になり、喫煙所が構内で2か所ほどだったものが卒業時には完全禁煙になりました。
医療に携わる者として、自分の健康だけでなく受動喫煙の被害の重大さを認識しなければいけないとのことで、全国の大学がそのようになっていた時期でもありました。
現在の後輩の喫煙状況はどうなっているのか、紙タバコだけでなく加熱式タバコの人も増えている今、気軽に手を出しかねないことに我々は、正しい危険性という情報を伝えていかなければいけないのだと思います。

私のタバコの印象として結局は「タバコってかっこわるいなぁ」なのです。
それぞれモラルの問題でもありますが、人に迷惑をかけない・人の目を汚さないように生きていきたいと私は思うのです。
一人の医療従事者として、さらなる喫煙率や受動喫煙の被害低下にまい進してまいりたいと思う今日この頃です。


2021年9月号
『たばこ』はどこでも敬遠される?!

秋田市医師会立秋田看護学校 2年次 渡部 裕子

私がこの会に参加させていただいて、2回目の禁煙サロンになります。何について話そうかとても悩みました。今回は今の私が、たばこについて思うことを素直に話そうと思います。
私は看護学生(28歳ですが…)をしています。消防士、看護補助者を経て現在に至ります。看護学校では、注射技術や、患者さんの身の回りのお世話の方法だけではなく、病気の成り立ちやその予防方法から治療方法まで勉強します。どの分野の勉強をしても必ず共通して出てくる話題があります。それが『たばこ』です。呼吸器に良くないというイメージは皆さんあるかと思いますが、実は耳鼻咽喉科でも、循環器科でも、整形外科でも敬遠されるのです。癌のリスクになったり、麻酔へ影響したり、大きい血管を硬くしたりといろんな悪さをするのが『たばこ』です。
まさに、百害あって一利なし。いつも授業で聞く度に、たばこで不幸になる人が減るといいなと思っています。


2021年8月号
コンビニたばこ

東邦薬品株式会社 佐賀 麻衣子

ある日の正午、午前中の外回りの仕事を終え、お昼ご飯を購入しようと、あるコンビニAに立ち寄った時の事。
駐車場はそれほど混んではいなかったものの、コンビニの前はたくさんの人で溢れかえっていました。官公庁が近い事もあり、お昼時は混んでいるのだろうと思い、車をおりると、溢れかえっている人のほとんどが、コンビニ前の、灰皿目的の喫煙者の方々でした。
ざっと見ただけでも、20人以上はいたのではないでしょうか?
周りを気にせず喫煙する人、少し建物の陰にかくれて吸っている人、様々でしたが、皆、スーツ姿だったこともあり、とても異様な光景でした。
結局この光景に躊躇した私は、近くのコンビニに移動しお昼を購入。お昼に立ち寄る事をやめていました。
それからしばらくたったある日の事。夕方ふらっとたちよったあのコンビニA。すると、入り口の張り紙が目に留まりました。
「秋田県受動喫煙防止法・改正健康増進法改正に伴い、周囲への影響も配慮した結果、店舗灰皿を撤去致します。」
入り口で思わず、「おお~~」と声をだし、小さな拍手。
きっと、ここを追いやられた人は、また新たな場所を探すのかもしれないと思いながらも、コンビニAの勇気ある決断に、感動した一日でした。


2021年7月号
スマホアプリが拓く、禁煙治療

由利組合総合病院 呼吸器外科 折野 公人

メディアでも取り上げられたので、ご存じの方もいるでしょう。『CureApp SC』という、ニコチン依存症治療アプリです。呼吸器内科医と慶応大学が共同で開発したものです。昨年から保険診療として認められました。
禁煙外来を受診される患者さんは、受診の際の面談、指導により、改めて動機付けが行われ、皆禁煙を続けようという気になります。しかしその受診の間隔の2週間は、様々な誘惑に駆られ、禁煙に取り組む意欲が萎えてしまいそうになる方もおられます。そこを、治療アプリで毎日サポートすることで、より効果的な禁煙につなげようというものです。臨床試験では、アプリを使わない群に比べて、使った群で有意に禁煙継続率が高かったそうです。
海外では以前からクイットライン(Quitline)という、電話による禁煙相談がありましたが、本邦ではなかなか普及できませんでした。
これからの時代、このようなスマホアプリの利用が、健康増進を支えて行くことが期待されます。
禁煙したいすべての喫煙者へ | 株式会社CureApp
https://sc.cureapp.com/p/


2021年6月号
オリンピックとたばこ

佐藤薬局 佐藤 健

オリンピックの観客をどうするかのニュースが多い今日この頃、コロナが発生するまではオリンピックとたばこの話題が多かったなと思い、オリンピックとたばこの問題の経緯について見てみました。
IOCは1988年に禁煙方針を採択し、その年のカルガリー大会以降、会場の内外が禁煙化されました。2010年にはWHOとたばこのないオリンピックを目指す合意文書へ調印し、同時期よりオリンピックは、会場だけでなく、レストランなどを含む屋内施設が全面禁煙の国や都市で行われることが慣例となっているようです。
2020年東京大会は屋外も含めた敷地内が加熱式たばこを含めて禁煙となります。2018年の平昌大会ではボランティアや大会関係者のために喫煙スペースが設けられた会場がありましたが、東京大会では設けないといいます。今後はこういったルールをしっかり周知し、守ってもらうことが必要であると考えます。


2021年5月号
世界禁煙デーのトピックス

秋田県 健康福祉部 保健・疾病対策課 滝本 法明

現在、世界保健機関の世界禁煙デー特設ウェブページ(https://www.who.int/campaigns/world-no-tobacco-day/world-no-tobacco-day-2021)に次の3つのトピックスが掲載されています。

1 禁煙100の理由
実際は100以上の理由が掲載されています。1番目は「喫煙者は新型コロナウイルスに感染した場合、重症化および死亡リスクが高まること」です。
2 禁煙の利点
禁煙すると20分以内に心拍数と血圧が低下、12時間後に血中一酸化炭素レベルは正常に低下すること等が掲載されています。年代ごとの禁煙の利点では「30歳は10年の寿命延長」とあります。
3 禁煙ツール
深呼吸をする等の喫煙欲求への対処法やSNSを用いたサポートなどのリンクが掲載されています。
禁煙ツールについては、日本でも12月から「禁煙治療補助アプリ:CureApp SC(https://sc.cureapp.com/d/)」の保険適用が認められました。患者は禁煙薬を服用しながら1日1回、機器で呼気の一酸化炭素濃度を測定すると、結果がアプリに記録されます。チャット機能に「タバコが吸いたい」と入力すると、「ここが頑張りどころです!」とアプリが励ましの言葉をかけてくれて「飲み物を飲む」「するめをかむ」等の対処法を提案してくれるそうです。
特に喫煙率全国ワースト4位(本サロン2020年9月号記事参照)の本県男性に、この禁煙情報を知ってほしいと思います。
ぜひ、6月6日世界禁煙デー秋田フォーラムに御参加ください。

▽世界禁煙デー秋田フォーラム2021
https://antismokingakita.com/activity/
日時: 6月6日(日)14:00-16:00
会場:にぎわい交流館AU 3F多目的ホール
特記:参加者は名前と連絡先の登録が必要

フル動画公開:https://www.youtube.com/watch?v=jtzWPqZVgHY


2021年4月号
喫煙率は煙の中

秋田県 健康づくり推進課長 武藤 順洋

たばこ対策を担う身としては、3年に一度の国民生活基礎調査における喫煙率発表は通信簿を受け取る気分です。直近の値は令和元年度ですが、秋田県は残念なことに平成28年度の20.3%から20.6%に上がってしまいました。
喫煙率といえば「育児期間中の両親の喫煙率」を調べたものがあります。本県は、母親については妊娠中1.9%、3・4ヶ月健診3.8%、1歳6ヶ月健診7.8%、3歳児健診10.5%とせっかく妊娠中に止めたものが時間とともに再喫煙していく様子が分かります。
ちなみに父親はというと3・4ヶ月健診45.1%、1歳6ヶ月健診46.4%、3歳児健診46.2%と国民生活基礎調査の年代別(30~39歳44.1%、40~49歳47.1%)喫煙率と同等の値で子育て世代の半分弱の方が喫煙者という状況です。
本県は、健康寿命日本一を目指していますが、働き盛り世代の健診データを見ますと現状はメタボ、脂質が男女ともワースト、血圧、血糖は男女とも全てワースト3位以内など、生活習慣の改善が必要なのは一目瞭然です。
今年の世界禁煙デーのテーマは「禁煙に取り組もう」。健康増進法の改正や秋田県受動喫煙防止条例の効果に期待しつつ、皆様と連携を深め、秋田の将来を担う子ども達のためにも一層声を大きくして取り組む必要があると考えております。


2021年3月号
「無重力での喫煙は可能か?」

御所野ひかりクリニック 勝田 光明

投稿ネタを探しましたが、自分の興味を持った喫煙について執筆させて頂きます。
一昨年になりますが、これからは宇宙の時代だと思い、JAXA、JALなどに足を運び、日本宇宙航空医学会の認定医となりました。しかしその知識や活動は、コロナ禍では実践することもなく現時点では自己満足の状況です。
今回の話題として、「宇宙でタバコを吸った場合どのようになるか?」を考えてみました。
まずは、宇宙空間の無重力状態で、ロウソクは燃えるかと言う問題考えていきます。ロウソクは、燃焼する時に熱せられた空気が軽くなり、上昇気流を生じます。そのため、周囲から酸素の供給があり、燃え続けます。無重力では、空気自体が熱せられても、重さが無いため対流が起こりません。そのため新たな酸素供給が乏しくなり、半円状の炎が40秒から1分ほどで消えてしまいます。NASAの実験でも証明されています。
それでは、タバコはどうでしょう。おそらく吸っている時は、火が付いていますが、対流を止めた瞬間に火は消えてしますはずです。つまり宇宙ではタバコは吸えない環境と思われています。
さらに、火がついた場所は空気自体が熱くなって、しかも対流がないため、その場所に顔を近づけた瞬間に火傷してしますことになります。
もちろん、宇宙船内は火気厳禁ですので、実験以外では、趣向品で火を扱うことはできません。
202×年 民間宇宙旅行も現実味を帯びてきています。喫煙自体が過去の遺物になる日も来るかもしれません。
最近、当クリニックでも、喫煙者がかなり減ってきています。これも、三浦先生、鈴木先生をはじめとする皆様方の活動の賜物と思っております。心より感謝申し上げます。喫煙者ゼロを目指しこれからも邁進します。


2021年2月号
出社前の身だしなみ

ほの花調剤薬局いずみ店 佐藤 拓哉

ここ数年、三次喫煙(サードハンドスモーク、残留受動喫煙)について話題が上がっている。タバコを消した後の残留ニコチンが大気中の亜硝酸と反応し発がん性物質であるニトロソアミンなどをつくり、それらを吸入することを示し、受動喫煙以上の悪影響があるともいわれている。
2021年1月「イオン株式会社」は、全事業社内に「お客さま及び従業員間での望まない受動喫煙と三次喫煙を防止する」施策のため『就業時間内禁煙』と『敷地内禁煙』を開始すると発表。さらに『就業45分前の禁煙要請』も加えた。ところがこのイオンの喫煙対策に「人権侵害だ」と物議を呼んでいる。
今回、物議を呼んでいるのは三次喫煙防止の部分。イオンでは三次喫煙の起こりうる時間を喫煙後45分間とし、この施策により従業員は就業45分前に喫煙することはできないことになる。
SNS上では「イオンすごい!禁煙広まれ!」と禁煙対策を絶賛する一方、「労働時間外から禁煙命令となれば見合った賃金を支給するのか?」「労働者の私生活まで侵害。人権侵害だ」などの声が上がっている。
私の意見は、朝起きたら顔を洗う、歯を磨く、洋服を着替える、髪を整えるなどの「身だしなみ」は誰もが行う。出社前や業務時間前の禁煙もこの「身だしなみ」と同じで、接客業を生業とする人は当然の事だと思う。それを人権侵害というのはいかがなものか。いや、いっその事、禁煙した方が楽ではないか。
こんな物議に負けじとイオンに続く企業が出ることを私は期待している。


2021年1月号
「たばこ規制枠組条約」再考

日本赤十字秋田看護大学 小笹 典子

2021年が明けました。2020年は新型コロナ肺炎ウィルスに明け暮れましたが、いまだ見通しが持てない昨今の状況です。
さて、昨年は県外には一歩も出ることができませんでしたが、2019年の夏にWHOを訪問する機会を得ましたので、少しご報告したいと思います。
日本赤十字秋田看護大学は、他の赤十字看護大学(全国に6つ)と連携してWHOと国連(スイスの事務局)、赤十字ゆかりの地(イタリア、スイス)にスタディツアー(10日間)として、希望する学生を募って毎年、出かけています。(もちろん、2020年は中止)2019年は、広島の大学と一緒に行くことになっていましたが、希望する学生が少なかったことから、教員にも募集があり、幸運にも私も同行することができました。詳細は割愛します。国連の方は、団体ツアーがたくさん来ていましたが、WHOの方は、訪問制限が厳しく、一般には認可されず、本学は赤十字の関係で認められているようです。
さて、WHOを視察訪問して、日本人の職員から施設内ツアーおよび説明を受けましたが、驚いたことに、WHOの大きな功績の2つのうちの一つが「たばこ規制枠組条約」であるという事実でした。(もう一つは、「天然痘の根絶」)
「たばこ規制枠組条約」は2003年、世界保健総会において採択され、2005年より効力を生じました。日本も閣議決定し国会の承認を得て署名。保健分野における初めての多数国間条約です。たばこの消費等で健康に及ぼす悪影響から現在および将来の世代を保護することを目的とし、たばこに関する広告、放送上の表示等の規制とたばこの規制に関する国際協力について定めたものであり、知らなかったわけではありませんでしたが、WHOに行って、このことの持つ意義の大きさを再認識させられました。ホールにつながるエレベータの扉には、禁煙マークとともに「WALK the TALK Say NO to tobacco」の表示があり、大変感動しました。このあとも、本会の地道な活動と情報発信の意義を確認した次第です。
写真をご覧ください(左から順に写真1~4)。ロビーにはWHO加盟国の国旗が下げられており、(写真1)、その先のエレベータが2か所(写真2)そのエレベータの扉(写真3、4)の様子です。


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