The Anti-Smoking Society in Akita(ASA)
秋田禁煙サロン 2013年
このたび秋田・たばこ問題を考える会では、タバコによる健康被害の実態をもっと多くの人々に知ってもらう必要を感じ、会員が交代でコラムを書くことにしました。 このホームページをきっかけに禁煙に成功し、タバコの害から逃れる人が一人でも増えることを切望します。
2013年11月号 台湾レポート~台湾のタバコ事情~
秋田県 健康福祉部 金子 治生
先日、仕事で台湾を初訪問。そこで垣間見た台湾煙タバコ事情を少しだけレポートします。
まずは、たばこを規制する法律「エン(草冠に於)害防制止法」があるのに驚き!2009年の改正で規制が強化。ホテル、デパート、飲食店、カラオケ、商業施設は勿論、3人以上の人がいるオフィス、乳幼児がいる室内は禁煙。妊婦さんの喫煙も禁止されているそうです。
また、夜9時から営業する18歳以上のみ入場可能なバーなどは喫煙可能ですが、18時から開店する場合は21時以降も禁煙。
罰金は最高で1万台湾元、吸い殻のポイ捨ては6千台湾元(訪台時、1台湾元=3.57円)也。
さらに、台北市などには違反者を見つけて通報し、検挙に成功すると罰金の5%を報奨金としてもらえるのにも驚き!
とどめは、タバコのパッケージ。欧米に負けないヘビーな写真による警告を掲載。これは禁煙させたい日本の友への良いお土産?
最後に、2010年の喫煙率は、台湾19.8%、日本21.2%、秋田22.5%。台湾の取組事例から学ぶことがたくさんあると感じた台湾訪問でした。
2013年10月号 映画における喫煙場面の考察
東邦薬品 長崎 淳
スタジオジブリ製作で宮崎駿監督引退作品「風立ちぬ」が公開され、喫煙場面が多いことから論議になったことは記憶に新しいことと思います。発端は日本禁煙学会からの要望書提出でした。それから多種なメディアで賛否論争になりました。映画の中でのシーンは喫煙促進につながる、いや時代背景だから、表現の自由だ、などなど様々な意見が飛び交いました。
私の趣味の一つに読書があります。多読家ほどではありませんが、空き時間には本を読むことを心掛けています。その著書の中にも度々たばこは登場してきます。ちらっと出てくるならば気にならないのですが、ひどいものですと、主人公がヘビースモーカーだったりして、しょっちゅうたばこを吹かし、読んでいても煙く気持ちが悪くなり、とても作品を楽しむどころじゃありません。(ちなみにその作品は表紙にラッキーストライクが並んだ画で、売れっ子作家の直木賞受賞作ですが)それでも最近出版されたものは、喫煙シーンが少なくなってきていると思いますが、刑事もの警察ものは相変わらず多く出てきます。刑事という人物像を作るための演出上の小道具でしょうか、今どきの刑事もそうなの、と穿ってみてしまいます。
しかしながら、まだ小説などのメディアはまだ読者、特に若年層への影響が少ないと思います。今回の議論になった「映画」という媒体、ましてや子供たちに人気があり、今後も見続けられるだろうスタジオジブリ作品では、子どもや若者への影響力は大きいものであることは明白です。私が十代のころ、松田優作やジェームスディーンなどの映画スターは、たばこをくわえてポーズを決めていました。それが格好いいと憧れていました。確かにたばこを吸うきっかけの一つになっていました。今度のケースでは影響はないのでしょうか。「風立ちぬ」への喫煙場面では「当時の時代背景だ」「登場人物の心情を描くためだ」との意見が多いそうです。もしそうであれば、たばこを使わなければ時代、人物、場面の描写が出来ないのでしょうか。たばこを使わなくてもそれらを表現する素晴らしい作品はたくさんあるはずです。
私的意見に偏ってしまいましたが、最後にこの議論で心に残ったご意見を掲載いたします。
「ディズニー映画に出てくる子どもや学生はタバコなど吸いませんよね?それは、自分たちが子どもや世の中にどの程度影響を与えるかなど理解しているからだと思います。ディズニーと同じくらい素晴らしい映画を制作しているにも関わらず、自分たちが与える影響にまで配慮がないというのは本当に残念に思えてなりません」
2013年9月号 受動喫煙防止秋田フォーラム
協会けんぽ 秋田支部 二田 幸子
9月28日、『受動喫煙防止秋田フォーラム』が開催され、80名の方が参加されました。
今回は秋田県の事業で楽しく知ってがん予防事業の一環で秋田美術大学とタイアップした活動を展開している中で、「ポスター」「コースター」「ポストカード」を作成してくださった蒲生さん・二木さん・今さん・斉藤さんがプレゼンテーションをしてくださいました。無関心層へのアプローチを目的とし、固くなく興味を引く大変素敵なものばかりでした。秋田県や協会けんぽ等で早速作成しております。みなさんの目に触れるようにしたいと思ってます。その後、基調講演として秋田組合病院の添野先生が座長となり、循環器内科医であり、東京巣鴨のとげぬき地蔵尊高岩寺住職で、AEDを持ち歩き、揺りかごから墓場まで関わっていらっしゃる来馬明規先生からコンサートありの楽しい中にもドキッとする、もちろん大変勉強になるお話をいただきました。時間がもっとあってもよかったと感じた次第です。先生のコスチュームも素晴らしい刺繍が施され、ミーハーな私はサインまでちゃっかりいただきました。
2013年8月号 角館の路上禁煙
佐藤薬局 佐藤 健
健康から考える禁煙とはちょっと違う話になりますが、私の住んでいる街「角館」の路上禁煙について紹介したいと思います。
角館では国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている武家屋敷通りにおいて、路上は禁煙、そして、ゴミのポイ捨ても禁止となっております。
条例制定の目的としては、一部の観光客の方の歩きタバコ、ポイ捨てからおこる火事を防ぐためということでした。この地区は、木造建築物と松、桜などの樹木が多く、火災には大変弱い地区であったためと考えられます。
京都に出張でいった際、京都もやはり路上喫煙がいたるところで禁止されていました。大切な文化遺産をまもり、またその地域に住む方々も守る。
こういった観点からの禁煙も重要だなと思いました。
2013年7月号 禁煙は、愛する家族への贈り物
秋田県がん対策室 武藤順洋
秋田県では、がんで亡くなる方が平成21年に4千人を超え、人口動態統計の速報によれば、平成24年には4,099人の方が亡くなっています。これは、県内の規模の小さな町や村の人口を上回る数字であり、いかにがん対策が喫緊の課題であるかが分かると思います。
がんで亡くならないためには、まずがんを遠ざける生活習慣とがん検診を定期的に受診することが大切ですが、特にタバコは多くのがん発生に関係があり、男性がタバコを止めれば、男性のがんの3分の1が無くなると言われています。
こうしたことから、国や県では、第2期の健康21計画やがん対策推進計画に、初めて喫煙率減少の具体的な目標値を設定しました。「今頃」と意外に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これがタバコ対策の難しいところで、喫煙率の目標設定でさえも様々な障害があったという現実があり、目標設定は画期的とさえ言われています。
なぜ、このような状態が続くのでしょうか。やはり、未だ多くの方がタバコの健康に与える影響について漠然としか知らないということが根本にあると思います。タバコの恐ろしさを知るにつれ、若いお母さん達が隣に小さな子供を乗せ、締め切った車の中でタバコを吸っている光景に出くわすと、やり切れなさと恐ろしさまでを感じます。
がん検診を勧める標語に「がん検診、愛する家族への贈り物」というのがありますが、言うまでもなく、自分の健康を守ることは、かけがいのない家族を思いやるこという意味ですよね。
「禁煙は、愛する家族への贈り物」。タバコに関しては、自分の健康のみならず周りの人達の健康も守ることにつながります。このことに多くの喫煙者の方に気がついてもらうため、これからも様々な機会を利用して、タバコが健康に与える影響について発信していきたいと思っています。
2013年6月号 「タバコはカッコ悪い!」
ファイザー(株) 渡邉 拓
私は高校を卒業後、アメリカのカリフォルニア州、ロサンゼルスに渡りました。 2002年から2007年の5年間程、アメリカで大学生として生活しました。 その時、私が感じた日本とアメリカのタバコに対する考え方や捉え方の違い等をご紹介したいと思います。
今でこそ、日本においても、「タバコはカッコ悪い!」といった風潮があるかもしれませんが、10年前ではTVドラマでイケメン俳優がカッコよくタバコを吸っていました。また、今でこそ、分煙と騒がれていますが、当時は駅のホームをはじめ、どこででもタバコを吸えたものでした。
では、10年前のアメリカはというと、屋内では完全禁煙。飲食店も全て禁煙です。お酒のでるレストランで食事をしていても、スモーカーは外にでて、灰皿を探すしかありません。もちろん屋外でも灰皿のない場所では喫煙できません。日本ではまだまだ禁煙の飲食店は少ないように思えます。禁煙なのはお寿司屋さんくらいでしょうか。また、タバコ1箱が800円程(当時1ドル約120円くらい)しますので、ヘビースモーカーなんてあまりいません。そして、タバコを吸う男性はカッコイイといった印象は全くなく、むしろ意思が弱いがためにタバコをやめられない。「カッコ悪い」といった正反対の印象であり、私自身驚きました。
当時、私もたまに喫煙していましたが、ホームステイ先のホストファーザーから、こんな事を言われました。「学生の頃、よく両親から、そんなにタバコが吸いたければマリファナを吸え!タバコだけは絶対に吸うな!と言われたよ。あなたもタバコは吸うくらいならマリファナを吸いなさい!」と本気なのか冗談なのかよく分からない事を度々言われたものでした。
アメリカでは今の日本以上に、タバコとは絶対悪であり、なによりカッコ悪いものでした。
今後若者がタバコを吸い始めるきっかけを与えないためにも、「タバコはカッコ悪い」といった印象を、我々大人達が今以上に創っていくことが必要かもしれませんね。
2013年5月号 「真実を見る目」
御所野ひかりクリニック 勝田光明
先日、中国に出張してきました。中国では交渉の際にタバコを渡す習慣があるようです。渡されたタバコを吸わなければ、面子を潰した事になりなり、交渉は決裂するといわれています。現地の方に聞いたのですが、交渉で使用するタバコは1箱1000円くらいのものを使用するが普段吸うのは100円程度のものだそうです。もちろん、今回の交渉の場合もタバコを勧められたのですが、有難くもらって耳の上において吸わずにすみました。実はこれが中国でのタバコの断り方のようです。有難くもらっているので面子は潰しませんが、自分はタバコが吸えない事を伝える手段のようです。
かつて自分の父親が天皇の警護についたときにそのお礼として菊の紋がついたタバコをいただいたようです。30年以上前の時代では当たり前に光景だったのかもしれません。タバコ自体がかっこいいと思われ、御礼として成り立っていた時代があったのだなと実感しました。
ちなみに鳥インフルエンザは中国ではほとんど話題になっていませんでした。実際に現地の方に聞いても鳥インフルエンザ自体の存在は知っていましたが、周囲に感染者は聞いたことがないと話していました。そのかわり、日本の粉ミルクに放射能が入っているから買わないよと言われたときには非常に驚きました。
時代が変われば御礼や接待で使われていたものが健康被害の主役になり、場所が変われば誇大な悪しき情報になる。自分の目で確認して情報の取捨選択をすることが大切です。ちなみに知人の中国人には禁煙を勧めてみました、にやっと笑って火を消してくれました。まさに、世界禁煙デイ!
2013年4月号 「禁煙法と小児喘息の関係」
大館市立総合病院 小児科 高橋義博
私は、この5年前から学校医を務めている小学校で毎年喫煙防止教室(防煙教室)を行っています。成人になり喫煙者となり(実際には高校生時代から喫煙する者が相当数いると思いますが)、その後禁煙に向かってもらうよりは、喫煙防止教育を徹底して最初からタバコは吸わないという人になってもらう方が良いと思います。今、学校現場では健康や命を大切にする教育が低学年から行われていまが、防煙教育をうまくいかせるには、子どもたちがある程度科学的知識を持ち、論理的にタバコの害を理解できると効果的と考えて、現在では小学校5年生を対象に防煙教室を行っています。
今回は禁煙法と小児喘息の関係について最近の話題からご紹介します。
【禁煙法施行後1年で小児喘息での入院数が12%減少】
これはPediatrics(2013年第131巻1月号)という米国の代表的な小児科の雑誌に発表された研究結果からです。イングランドで2007年7月に屋内の公共の場や職場などでの喫煙を禁止する禁煙法が施行されましたが、インペリアルカレッジ(ロンドン)のChristopher Millett博士らは、英国保健サービスの統計データを解析した結果、禁煙法の施行前には重度の喘息発作を起こした小児の入院数は年間2.2%の割合で増加していたが、禁煙法施行後1年間で、喘息で入院する小児の数が12.3%減少したと報告しています。この小児喘息入院数の減少傾向はその後も見られたことから、禁煙法の有効性が長期間持続することも示唆され、全体として施行後3年間で小児喘息での入院数が6802件減少したと推定しています。
同様の報告はスコットランドと北米の先行研究でも禁煙法導入後に小児の喘息入院数が減少したことが示されていて、イングランドでは,禁煙法の導入により急性心筋梗塞の入院数も減少したという報告も出されています。
公共の場からたばこを排除すれば、小児を含めた住民の健康に多大な便益がもたらされることが示されたことになります。
また先行研究の結果にも触れ,禁煙法施行後に喫煙者が受動喫煙など他人に及ぼす影響について配慮するようになり、自宅や自動車の中での喫煙を自粛するようになったことも示され、おそらくこうした一連の変化により,小児の受動喫煙が減少したことが、喘息発作の抑制につながったと思われると推測しています。
2013年3月号 「喫煙のきっかけ」
ほの花調剤薬局いずみ店 佐藤拓哉
喫煙のきっかけとは何だろう?
私の考えでは、100%興味本位。
カッコイイ、大人ぶりたい、女子にもてそう、親も吸っているなどなど。
少なくても私の時代はそうだった。
タバコの害についての正しい知識も少なかった時代なのでしょうがないのか。
私といえば、中学高校時、タバコを吸う友人には一喝「止・め・ろ」と連呼してきた。
そう、完全なる禁煙派。
成人過ぎまでは…。
大学時代、バイク事故で入院したときのこと。
私はある看護師さんに惚れてしまった。
それから毎日、どうしたらその看護師さんと仲良くできるか考える毎日。
すると、ある日、採血しようと前かがみになったその看護師さんから、フアッ~とタバコの匂いが…。
惚れた女性が喫煙者。
悩んだ結果、私がとった行動は、自分もタバコを吸って立派な喫煙者になる、でした。
以後16年間喫煙し、禁煙後8年経過した。
喫煙時は、自分の体、家庭、仕事、周囲の環境にとって、良いことは一切なし。
禁煙したら、風邪も引かず健康体で、寝起きも昼間も頭スッキリ、爽快の毎日。
喫煙のきっかけなんて、ほんと些細なこと。
でも、キチンとした知識が無いばかりに、一生に一度の人生が台無しにならないよう、私は今後も禁煙活動を進めたい。
2013年2月号 「海外に行ってたばこ問題を考える」
聖霊女子短期大学付属中学・高等学校 小笹 典子
世界遺産を求めて諸外国を巡る旅に出ることが年中行事になりました。「百聞は一見に如かず」の通り、自分の目で、耳で、肌で感じるという体感は、とても刺激的で知的好奇心を高めると共に、感性が豊かになるように思います。
さて、たばこの煙、においを感じると途端に鼻がつんとし、頭痛がする非常に敏感な体質の私が「秋田たばこ問題を考える会」の会員になってから早10年ほどになります。そこで当然、旅に出るとその国、都市の人々の喫煙事情が気がかりになりました。その国の喫煙状況を知ることが、その国の経済や教育、健康福祉政策を知ることにつながっていることにも気がつくようになりました。
WHOは、1970年以来喫煙による健康被害の拡大を憂慮して対策の実施を呼びかけてきましたが、各国共通した対策をとって対応することが必要であるとして、日本で「健康増進法」が2003年5月に施行された年の同じ5月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の案文が世界保健総会で採択されています。これは世界的公衆衛生分野における初めての多数国間条約でとても画期的なことですが日本も締結し、平成2005年2月に発効されています。確かにその頃から欧州では国の規制が強まり、禁煙・分煙が進んできていることは実感できます。吸える場所の限定により、最近は外国でも「歩きたばこ」が目につくようになりました。「受動喫煙」は深刻なので、吸いながらの歩行者とすれ違うとき、私は息を止めて歩くようにしています。
喫煙対策は、日本国内においても自治体によって温度差がある状況です。私たちの運動が広がって、個人的には青少年と妊婦の喫煙が0となること、秋田の飲食店がすべて禁煙になることの早期実現を願っています。そしてたばこのない社会の実現に向けて今後も努力していきたいと考えています。
2013年1月号 「PM2.5」
出戸診療所 萱場 恵
昨今、中国から風に乗ってやってくるPM2.5が話題になっています。PM2.5とは大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの1千分の1)以下の小さな粒子のことで、肺の奥深くまで入りやすく、肺がん、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。平成25年2月に大気汚染及び健康影響の専門家による「PM2.5に関する専門家会合」において、注意喚起のための暫定的な指針が示されました。これまでの環境基準は1年平均値15μg/m3以下かつ1日平均値35μg/m3以下ですが、暫定基準では70μg/m3を超える場合は不要不急の外出や屋外での運動を避けるように勧告されました。
ところで、この物質は、排気ガスや工場からの煤煙だけに含まれているものでしょうか?
なんとタバコの煙にはさらに微小な粒子が含まれています。禁煙学会の発表では、全面禁煙の店舗以外では、100μg/m3以下のところはなく、駅の喫煙コーナー内では450μg/m3、自由喫煙の居酒屋では700μg/m3、タクシー内で2人が喫煙した場合は1600μg/m3という驚くべき値が測定されているのです。どう思われますか?禁煙でないお店で飲食ができますか?まして子供やお年寄りを連れて行けますか?最も身近で、しかしながら禁煙で防ぐことのできるPM2.5。さらに、その空間では壁、シート、カーテンなどに滲み込んだ有害成分がThird-hand smoke(三次喫煙)となって否応なしに体に取り込まれるのです。
マスコミや環境省はこういった現実をもっとアピールすべきではないでしょうか。